② 大型水槽の濾過基準はどのように決定されたか

大型水槽の濾過基準はどのように決定されたか

佐伯の理論から考えると1t当たり5kgの魚類を収容した場合、必要な濾過材は魚体重5キロに対し30倍の濾過材重量が必要となる。

すなわち必要な濾過材重量は、

5×30=150kg

が必要となります。

大型水槽の水量が1,048tありますので、1t当たり5kgの魚類を飼育展示する場合の必要な濾過材重量は

1,048×150=157,200kg

157.2tの濾過材が必要になる。

使用する濾過材の大きさを0.6㎜の珪砂を使用したとすると見掛比重が1.6なので

98.2㎥となる。

実際の大型水槽の濾過基準

(1)原単位

a 魚密:5kg/㎥

b 砂の硝化能力:0.03/kg・day (珪砂0.6mの場合)

c 魚類のアンモニア排泄量:0.5㎏/㎏・day

d 砂の見掛比重:1,600㎏/㎥  (珪砂0.6mの場合)

e 水槽水量:1,048㎥

(2)アンモニア排泄(生成)量 Vo(残餌は含まれない)

 Vo=a・c・e=5×0.5×1048=2,620/day…1.4…3,670

      =3,670g/day

現施設のアンモニア硝化能力

I:圧力式濾過器 7.8㎥/1基×5基=39㎥

     39㎥×1,600㎏/㎥×0.03g/㎏・day=1,872g/day

II:接触濾過槽  50㎥

     50㎥×(200/700)×1,600㎏/㎥×0.03g/㎏・day

     =686g/day

III:バイオフィルター(座面濾過)  46㎥

     46㎥×1,600㎏/㎥×0.03g/㎏・day=2,208g/day

以上、3濾過器の硝化能力の合計は4,766g/dayとなる。

さらに、佐伯の理論に当てはめると必要な濾過材の必要容量は、前述のとおり98.2㎥なので、

I+II+III=39+50+46=135㎥

となり、佐伯の理論からも濾過材容量は十分と判断できる。

濾過材以外の基準

水槽循環量:24turn/day

濾過速度:LV=27m

オゾン:1時間当たり1㎥を添加

オゾンはアンモニア態窒素を亜硝酸及び硝酸態窒素に酸化する。また、原水の色度を除去する働きと殺菌能力を有する。オゾンは、浄化及び殺菌において優れた特性を有しているが、オゾンを高濃度で処理し過ぎ残留させると、飼育魚の影響が懸念される。

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