餌を与えるまで

大水槽に展示されている魚類には、アジ・サバなどの日本沿岸でたくさん捕獲される多獲性魚類を餌として使用する。多獲性魚類は、価格も安価で安定して供給できるため。新鮮で急速冷凍したものを与えます。

マイナス55℃~マイナス35℃で急速冷凍した餌は、週に一度一週間で使用する分の餌を保冷車で運びます。急速冷凍する理由は、餌の中の寄生虫やその卵を死滅させること、餌の鮮度を保つことが目的です。搬入された餌も冷凍庫に入れ、マイナス25℃で保存されます。

使用する餌は、調餌場のシンクで解凍され、与える魚類の大きさに合わせ調餌されます。食べやすいようにエビは皮を剝き、イカは飼育水を汚さぬよう内臓を取り去り輪切りにして与えます。餌の中にはレタスなどもあり、丸ごと水槽に入れハギなどの餌にします。

与えるえさの量は、毎日目方を量り、魚の餌の摂餌が良好か、残ってしまった餌はないか確認します。1日の餌として与える量は、魚体重当たり3%を基準にしています。

餌は、大水槽上にあるキャットウォークから与えます。水槽の底にいる魚は、バケツにひもをつけ、水槽底まで餌を持っていき、そこでバケツをひっくり返して餌を与えます。また、一日2回ダイバーが水中給餌を行い餌が行き届かない魚に餌を与えます。

大水槽の透明板はなにで出来ているのか

大水槽はアクリルで出来ていて、最も厚いもの25㎝もあります。

アクリルが大水槽を可能にしました。

ガラスに比べアクリルは下記のような特徴がある

  1. 面接着によって、サイズや厚さ、変形など加工が容易(140℃で変形)。
  2. 保温性・衝撃吸収力に優れている。
  3. 板自体にねばりがあり、万一割れても裂け目から水が漏れづらい。
  4. ガラスのように開口部すべてが割れ、内部の水が急激に観覧側に流れ出ることもない。
  5. 強化ガラスの場合自爆作用がみられ、またゆがみや集中応力に対しても簡単に破壊されてしまうが、アクリルは相当程度まで耐えられる。
  6. ガラスに比べ膨張収縮(特に水温、水分)が大きいので、取り付け部に余裕を持たせる、水の注排水もデリケートに行わないとコーキングが切れて漏水の原因となる。
  7. 薬品や熱に弱く表面硬度もガラスに比べると劣るので取り扱いや収容魚種に注意がいる。

1:アクリルパネル 2:シリコンシーラント 3:ネオブレンパッキン 4:スペーサーブロック 5:プレキャストコンクリート 6:エポキシライニング 7:防水モルタル 8:アンカーブロック